前回、第2話では、百子を巧みに騙し天国から地獄へ突き落したハナ。
百子の人生を狂わせるという復讐を遂げたハナの次のターゲットは、奥田スミ子。
美しい自分は特別な存在なのだと考えるスミ子。その考えは昔からで、学生時代はハナの容姿をののしりとひどい仕打ちをしていた。
そんな美しさに絶対の自信があるスミ子に、ハナが用意した復讐劇は…
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『美醜の大地』第3話「私は特別」のあらすじネタバレ
美しさは天から選ばれた存在
引き揚げ後、家族で貧しい生活をしていたスミ子は、こんな生活は自分にはふさわしくないと、一人函館へと向かう。
カフェのウエートレスとして働き、客から人気を集めていることも、容姿に自信があるスミ子にとって当然のことだった。
そのカフェに同じくウエートレスとして働いているのが、菜穂子(ハナ)だった。
美しく生まれ変わった菜穂子がハナだということを気付くわけもなく、スミ子は美しい菜穂子の事を自分と同じ特別な存在と認めていた。
そんなスミ子に、近頃気味の悪い手紙が毎日のように届いていた。
気味悪い手紙の送り主は…
美しいということを武器に、客の男たちをいいように扱い手玉にとっていたスミ子だったが、客の中に1人不気味な男がいた。
醜い顔をしたその男は中川といい、毎日のようにカフェを訪れスミ子をなめ回すようにみていた。
ある時、気味の悪い手紙の内容から、送り主はその中川だと確信するスミ子。
ストーカーのようなその手紙の内容に、恐怖を感じたスミ子は、同類と思っている菜穂子にその悩みを打ち明ける。
ちょうどそこへ、菜穂子に好意を寄せている新聞記者の綿貫晋平が表れ、事の次第を聞くことになる。
綿貫は、何か考え込みながら、その手紙を一旦預かることにした。
ストーカーを撃退!したはずが…
菜穂子から護衛をつけたほうがいいといわれたスミ子は、自分に気がある客の男たちを使って、中川を暴行させる。
そこへスミ子が現れ、傷を負った中川にとどめをさすように
「気持ち悪いのよ 醜男のくせに」
と言い去っていく。
翌日、カフェで自分が行った中川への仕打ちを、菜穂子にさもおかしく話すスミ子。
仕事を終え、店から出たスミ子の顔に、いきなり何かの液体がかけられた。
何が起こったのか分からないスミ子だったが、次の瞬間焼かれるような熱い痛みに襲われる。
顔も頭も焼けただれたスミ子の前に立っていたのは、薬の瓶を手にした中川だった。
ストーカーの真実
あんなに男を虜にしていたスミ子だったが、顔を焼かれミイラのような姿となった今となっては、病院へだれも見舞いにこない。
そんなスミ子を訪ねてきたのは、新聞記者の綿貫だった。
以前、スミ子に送られてきていた手紙を預かっていた綿貫。
スミ子はその手紙は中川の書いたものだと思い込んでいたが、綿貫の友人の警察が調べたところ、筆跡や指紋から書いたのは女性だと判明。
中川は、天涯孤独で貧しく孤独な人生に突如現れた美しいウエートレスのスミ子の為に、何か役に立つことがしたいだけ。
その気持ちを踏みにじられ、侮辱を受けたことで凶行に及んでしまったのだった。
死んだはずのハナの姿を目にしたスミ子
あれだけ周りをバカにしてきた自分が醜い容姿となり、二度と元には戻らない人生を悲観して絶望するスミ子。
涙を流しながら見つめた窓の先に見たのは、死んだはずのハナだった。
すべてはハナの復讐だったと気づいたスミ子は、ハナを追いかけるため病院を飛び出す。
わき目もふらず必死にハナの後を追ったスミ子だったが、そのせいで車にはねられ帰らぬ人に。
事故の現場を目撃した綿貫は、スミ子が何かを必死に追って事故にあったように見えた。そこには女の後ろ姿だけが残った。
『美醜の大地』第3話を読んだ感想
どうしてこうも、ハナの復讐相手には性悪女ばっかりなのか。
「美しさを持っていたら特別、醜い奴は目障り」という考えのスミ子は、ハナをイジメていた頃も今も変わらないまま。
その性格が仇となって、侮辱した奴にとんでもない仕返しをされるスミ子でしたね。
「醜い心を持ってるお前は顔も醜くなれ」
と硫酸をかけられ、美しさがすべてだったスミ子の人生を終わらすという凶行に出た、ストーカー疑いの中川。
たしかに、中川はフランケンシュタインのような不気味な顔だったけども。
スミ子へやった事が罪となり捕まって…、もともとは見守るだけの愛だったはずなのに。ハナの復讐のせいで、若干巻き込まれた感はありますね。
結局いいことなしの人生になってしまって、かわいそうではあったな。
今回ハナの復讐で初めて出た死者。
これまでの復讐では、そいつを地獄のような人生へ送っても、命を絶つほどのことはしてこなかった。
今回はここまでが計画的なことだったのか。ハナからの電話を受け取った菊乃の慌てっぷりからすると、もしかして計算外?ってこともありえますかねー。
そして今回初登場の、新聞記者の綿貫。
菜穂子を思っていたこの男が、スミ子の事故現場でハナ(の後ろ姿)を目撃したことによって、何かまた別の展開が始まりそうな予感。
新聞記者という仕事柄、ハナの事をいろいろ調べてまわったりとか…復讐鬼ハナの邪魔な存在となりうるのかも。
第3話の最後、高島津家の屋敷で、スミ子の事故死の記事を読む絢子令嬢がちらっと登場。
スミ子の死を知っても、表情が全く変わらない絢子さん、さすがです。
そしてその絢子の横にいた怯えるメイドらしき女性。不気味な笑みを浮かべる男性に連れていかれ、屋敷に響く女性の悲鳴。
これが次の話にどうつながっていくのか?そして次のターゲットにはどんな復讐が待っているのか…、
第4話からも目が離せません!
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